今日は落語の演目を一つご紹介します。『柳田格之進』というお侍さんのお話です。
舞台は江戸時代。柳田格之進という名のお侍さんがいました。とても真面目な性格の人で、ごまかすとかちょろまかすなんてあり得ないという価値観を持っている人間。そのせいで、他の侍からは疎まれて、城を降り、長屋で貧乏暮らしをしているというそんな人間です。
超がつくほど真面目な柳田格之進ですが、一つだけ趣味があって、それは碁を指すことでした。ある時、町でお商売をしている大旦那さんのところに碁を指しに行った日がありました。特に何があったわけではないのですが、問題が起こったのは格之進が帰った後。50両という大金がお店からなくなり、大騒ぎになります。
その時、お店の番頭さんは、格之進がお金を盗んだに違いないと、翌朝、長屋に「お金を返せ」と長屋に乗り込んで来るんですね。格之進からするとそんなことはしていないし、超真面目な格之進ですから、疑われたこと自体が由々しき事なわけです。
格之進は、「私はお金を盗んではいないが、ないというなら腹を切って詫びよう。」と言うわけなんです。そこへ格之進の娘が出てきて、「切腹なんていけない。お金がないと言うなら、私を吉原へ売ってそのお金をあげるから、死んではいけない。」となるわけなんですね。
そんなこんなで、格之進は番頭にお金を渡し、そこで一つ約束をするわけなんです。「もし、今後なくなったお金が出てくるようなことがあったら、お前の首を切ってやる。」と。
そして、その年の終わりにお店を大掃除していると、なくなったはずの50両が出てくるわけなんです。番頭さんは焦りますよね。申し訳ないと格之進に許しを請うわけなんですが、娘を差し出している格之進は許さない。大旦那さんも出てきて、「従業員の過ちは雇い主の責任だから、私の首で勘弁してくれ。」となるわけです。
さて、柳田格之進はどうしたか?
刀をえいっと振り下ろし、碁盤を真っ二つにするんです。そして名言が出てきます。
「ならぬ堪忍、するが堪忍。」
そう言って、柳田格之進は番頭を許すわけなんです。
…長くなりましたが、この『ならぬ堪忍、するが堪忍』という言葉に対して、皆さんはどんなイメージを持ったでしょうか?
堪え難きを堪え、忍び難きを忍びみたいな最上級の我慢をするみたいな感じを受けませんでしたか?
ここでアンガーマネジメントなんです。アンガーマネジメントの講座では必ずお伝えしますが、アンガーマネジメントは、我慢をして、怒らない人間になることが目的ではありません。
アンガーマネジメントの目的は、怒りで後悔をしないことです。
柳田格之進は、決して我慢をしたのではなく、ここで怒りに任せて番頭さんと大旦那さんを切ったところで、意味がないと判断したんです。自分の娘は吉原に売られてしまった。その娘は死んではいけないと言っている。じゃあ、人を切るのではなく、ここはならぬ堪忍ではあるが、堪忍することの方が、売られてしまった娘の気持ちを生かすことになるのではと “選択” しているというわけなんです。
この演目のオチは、時代や演者によっても異なるようです。ネットで調べると、申し訳なかったという番頭さんと大旦那さんは、吉原の娘さんを探し出し、番頭さんと結婚して丸く収まるというものもあるようです。
自分は許せないと思っていることをされて、それにイライラしたり、相手をどうにかしようとしたり。それも選択肢の一つではありますが、それは本当にいい選択でしょうか?他には選択肢はないでしょうか?後悔をしないために、どんなことを選択できるでしょうか?
皆さんは、このお話からどんなことを感じられましたか。
アンガーマネジメントは怒りで後悔しないようになることを目的とした心理トレーニングです。入門講座を毎月一度開催していますので、興味を持たれた方はぜひご受講ください。Zoomを使ってオンライン開催していますので、ご自宅・職場から参加が可能です。
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